「タヌキとキツネは何科?」「シカの角は毎年生え変わる?」——狩猟免許の知識試験では、鳥獣の生態に関する問題が必ず出ます。
私は千葉県で第一種銃猟免許を取得しましたが、知識試験は1問もミスせず満点で合格できました。その理由は、鳥獣判別(実技)の勉強と知識試験の動物問題がかなり重なっていたからです。鳥獣判別で狩猟鳥獣の見た目を徹底的に覚える過程で、分類・生態・足跡の知識も自然と頭に入っていました。
とはいえ、狩猟読本をそのまま読んでも情報が散らばっていて整理しづらいのが正直なところ。この記事では、知識試験に出やすい動物の生態情報をカンニングペーパー的に一覧化しました。
そしてこれは試験対策だけの話ではありません。動物の足跡で獲物の通り道を読む、夜行性か昼行性かで猟の時間帯を決める、飛び立ち方で鳥の種類を瞬時に判断する——これらは実際のハンターにとって必須のスキルです。試験に受かるためだけでなく、猟場で使える知識として絶対に覚えてください。
試験に出る動物をもっと詳しく知る
知識試験で「動物の生態」はどう出る?
狩猟免許の知識試験は三肢択一式(3つの選択肢から1つ選ぶ)で30問・制限時間90分です。出題範囲は大きく4つに分かれます。
| 分野 | 出題数の目安 |
|---|---|
| 鳥獣の保護・管理に関する法令 | 約13問 |
| 猟具に関する知識 | 約9問 |
| 鳥獣に関する知識(生態) | 約6問 |
| 鳥獣の保護管理 | 約2問 |
鳥獣の生態は約6問。全体の2割ですが、逆に言えばここを全問正解するだけで合格ラインにグッと近づきます。しかも出題パターンが限られているので、この記事の内容を押さえておけばほぼ対応できます。私自身、鳥獣判別の勉強で狩猟鳥獣の特徴を徹底的に覚えていたので、知識試験の動物問題は「知ってる知ってる」という感覚で全問正解できました。
ポイント:知識試験全体の合格基準は70%以上(30問中21問以上正解)。鳥獣の生態6問を取りこぼすと、法令や猟具の分野で挽回が必要になります。
分類(○○科)を覚えよう|ここが一番出る
「次のうちイヌ科の動物はどれか?」のような分類問題は最頻出です。以下の表を丸暗記してください。
獣類の分類
| 科 | 動物 | 覚え方 |
|---|---|---|
| イヌ科 | キツネ、タヌキ | 「犬っぽい顔」の2匹。タヌキは意外とイヌ科 |
| イタチ科 | テン、イタチ、アナグマ、ミンク | 細長い体の仲間。アナグマもイタチ科がひっかけ |
| クマ科 | ツキノワグマ、ヒグマ | 日本にいるクマは2種だけ |
| シカ科 | ニホンジカ | 角が毎年生え変わる=シカ科の特徴 |
| ウシ科 | カモシカ(ニホンカモシカ) | 名前に「シカ」だがウシ科。角は生え変わらない |
| イノシシ科 | イノシシ | 偶蹄目。足跡はシカに似るが副蹄がつきやすい |
| リス科 | シマリス | 北海道に生息 |
| ウサギ科 | ノウサギ(ニホンノウサギ) | 齧歯目ではなくウサギ目 |
| ネコ科 | ヤマネコ(ツシマヤマネコ、イリオモテヤマネコ) | 非狩猟鳥獣・天然記念物。保護の対象 |
| アライグマ科 | アライグマ、ハクビシン | 外来種。タヌキと間違えやすい |
最重要ひっかけ:「カモシカはシカ科である → ×(ウシ科)」「タヌキはネコ科である → ×(イヌ科)」「アナグマはクマ科である → ×(イタチ科)」。名前に騙されるパターンが頻出です。
鳥類の主な分類
| 科 | 主な鳥 | 覚え方 |
|---|---|---|
| カモ科 | マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、スズガモ、ホシハジロ | 狩猟鳥獣の大半を占める。カルガモだけが留鳥 |
| キジ科 | キジ、ヤマドリ、コジュケイ | キジは日本の国鳥。すべて留鳥 |
| シギ科 | ヤマシギ、タシギ | くちばしが長い。地面をつついてエサを探す |
| ハト科 | キジバト | ドバトは非狩猟。「デーデー ポッポー」の鳴き声 |
| カラス科 | ハシブトガラス、ハシボソガラス、ミヤマガラス、カササギ | カササギもカラス科がひっかけポイント |
| ヒヨドリ科 | ヒヨドリ | 「ピーヨ ピーヨ」の鳴き声が特徴 |
| ムクドリ科 | ムクドリ | くちばしと足がオレンジ色 |
足跡の見分け方|偶蹄・指の数・爪跡がカギ
足跡の問題も頻出です。そして足跡の知識は実猟でダイレクトに使います。山に入ったとき、地面の足跡を見て「ここはシカの通り道だ」「イノシシが来ているな」と判断するのはハンターの基本スキル。試験のための暗記ではなく、猟場で獲物の痕跡を読むための知識として覚えてください。
ポイントは「蹄か指か」「指の数」「爪跡の有無」の3点だけ。

| 動物 | 足跡の特徴 | 判別のポイント |
|---|---|---|
| ニホンジカ | 2つの蹄(偶蹄)、細長いハート型 | 副蹄がつかないことが多い。先が尖る |
| イノシシ | 2つの蹄+副蹄2つ(計4つの跡) | シカより丸く、副蹄が外側につく |
| カモシカ | 2つの蹄、シカに似るがやや丸い | シカより蹄が広く、丸みがある |
| ツキノワグマ | 5本指+長い爪跡、人間の足に似る | 足裏全体がべったりつく(蹠行性) |
| キツネ | 4本指+爪跡あり、縦に細長い | 犬に似るが、前後の足跡が一直線になる(直線歩行) |
| タヌキ | 4本指+爪跡あり、丸い | キツネより丸く、足跡がジグザグになる |
| ノウサギ | 前足2つが縦、後足2つが横に並ぶ | Y字型の配置が特徴。後足が前足より前に着地 |
| テン | 5本指+爪跡あり、小さめ | 2つの足跡がペアで並ぶ(跳躍歩行) |
ポイント:試験で最も出やすいのは「シカとイノシシの足跡の違い」です。副蹄が外側につくのがイノシシ、つかない(つきにくい)のがシカ。これだけでも覚えてください。
食性・生態・行動パターン一覧
「次のうち雑食性の動物はどれか?」「冬眠する動物はどれか?」など、生態の基本知識を問う問題も出ます。
これも試験だけの話ではありません。夜行性の獲物を昼間に探しても出会えませんし、草食動物と雑食動物では餌場が違うので待ち伏せのポイントも変わります。鳥類の飛び立ち方の特徴を知っていれば、藪から飛び出した鳥を瞬時に「撃っていい鳥か」判断できます。生態の知識は、安全で合法的な猟をするための土台です。
| 動物 | 食性 | 活動時間 | 冬眠 | その他の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ニホンジカ | 草食 | 薄明薄暮性 | しない | 角はオスだけ。毎年生え変わる |
| イノシシ | 雑食 | 夜行性 | しない | ヌタ場(泥浴び場)を作る。突進力が強い |
| ツキノワグマ | 雑食 | 昼行性 | する | 胸に白い三日月模様。木登りが得意 |
| ヒグマ | 雑食 | 昼行性 | する | 北海道のみ生息。日本最大の陸上動物 |
| キツネ | 雑食 | 夜行性 | しない | 単独行動。エキノコックスの宿主 |
| タヌキ | 雑食 | 夜行性 | しない(冬ごもり) | ため糞をする。イヌ科で唯一冬ごもりする |
| テン | 雑食 | 夜行性 | しない | 樹上生活。冬は体毛が黄色くなる(キテン) |
| アナグマ | 雑食 | 夜行性 | しない(冬ごもり) | 巣穴を掘る。タヌキと間違えやすい |
| ノウサギ | 草食 | 夜行性 | しない | 冬に白くなる個体もいる(東北・北海道) |
| アライグマ | 雑食 | 夜行性 | しない | 特定外来生物。尾にリング模様 |
注意:「冬眠」と「冬ごもり」は違います。冬眠するのはクマ類だけ(体温・代謝が大幅に低下)。タヌキやアナグマは冬ごもり(活動が減るだけで体温はあまり下がらない)です。試験では「タヌキは冬眠する → ×」が定番のひっかけです。
鳥類の渡り区分
「次のうち留鳥はどれか?」も頻出です。
| 区分 | 意味 | 主な狩猟鳥 |
|---|---|---|
| 冬鳥 | 秋〜冬に日本に渡ってくる | マガモ、コガモ、オナガガモ、ヨシガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、スズガモ、ホシハジロ |
| 留鳥 | 一年中日本にいる | カルガモ、キジ、ヤマドリ、コジュケイ、キジバト |
ポイント:カモ類で唯一の留鳥がカルガモ。「カモ=冬鳥」と覚えがちですが、カルガモだけは例外。ここは試験で狙われます。
試験に出やすい「ひっかけポイント」
私が勉強中に「これ間違えそう」と感じたポイントをまとめました。
名前と分類のひっかけ
- カモシカはシカ科ではなくウシ科:角が毎年生え変わらない(シカは毎年生え変わる)
- アナグマはクマ科ではなくイタチ科:体型は丸いがイタチの仲間
- タヌキはタヌキ科ではなくイヌ科:顔つきが犬に似ている
- カササギはカラス科:白黒の見た目だがカラスの仲間
シカの角 vs カモシカの角
| 項目 | ニホンジカ | カモシカ |
|---|---|---|
| 科 | シカ科 | ウシ科 |
| 角があるのは | オスだけ | オス・メスどちらも |
| 角の生え変わり | 毎年生え変わる | 生え変わらない(一生伸び続ける) |
| 角の素材 | 骨(袋角→硬化→落角) | 角質(爪や毛と同じ成分) |
| 狩猟可否 | 狩猟鳥獣 | 非狩猟鳥獣(特別天然記念物) |
その他のよく出る知識
- キジは日本の国鳥:だが狩猟鳥獣である(国鳥なのに撃てる)
- イノシシのヌタ場:泥浴びする場所。体についた寄生虫を落とすため
- タヌキのため糞:同じ場所に繰り返し糞をする習性
- キツネとエキノコックス:キツネが終宿主。北海道で特に注意
- アライグマは特定外来生物:もともと日本にいない。タヌキと混同注意
- ドバトは非狩猟鳥獣:キジバトは狩猟鳥獣。ハトの種類で狩猟可否が違う
📝 練習問題で復習:この記事で覚えた知識を、実際の出題形式で確認できます。鳥獣に関する知識の練習問題(152問)にぜひ挑戦してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 知識試験の動物の生態は何問くらい出る?
約6問です。知識試験は全30問で、法令が約13問、猟具が約9問、鳥獣の生態が約6問、保護管理が約2問という配分が一般的です。
Q. 狩猟読本のどこを読めば動物の生態がわかる?
狩猟読本の第5章「鳥獣に関する知識」に詳しく載っています。ただし情報量が多いので、まずはこの記事の一覧表で全体像をつかんでから読本で補強するのが効率的です。
Q. 鳥獣判別(実技)と知識試験の動物問題は別物?
別物です。鳥獣判別は実技試験の一部で、画像を見て名前を答える問題。知識試験の動物問題は筆記で、分類・生態・行動に関する三肢択一問題です。対策方法も異なるので、両方しっかり準備しましょう。鳥獣判別の対策は鳥獣判別 完全攻略を参照してください。
まとめ
- 分類(○○科)が最頻出:カモシカ=ウシ科、タヌキ=イヌ科、アナグマ=イタチ科の3つは必ず覚える
- 足跡はシカとイノシシの違いが最重要:副蹄の有無で区別
- 冬眠するのはクマ類だけ:タヌキ・アナグマは「冬ごもり」であり冬眠ではない
- カモ類の留鳥はカルガモだけ:他のカモはすべて冬鳥
- 名前に騙されるひっかけに注意:カモ「シカ」、アナ「グマ」は名前と分類が不一致
- 試験対策=実猟の基礎:足跡・活動時間・食性の知識はそのまま猟場で使える
私自身、鳥獣判別の勉強で狩猟鳥獣を徹底的に覚えた結果、知識試験の動物問題は満点でした。鳥獣判別と知識試験は表裏一体なので、セットで勉強するのが最も効率的です。
見た目で判別する実技試験の対策は狩猟免許の鳥獣判別 完全攻略を参照してください。狩猟免許試験の全体像は狩猟免許の取り方完全ガイド、試験前の講習会については初心者講習会の体験レポートでまとめています。合格後の更新手続きや法律知識は狩猟免許の更新手続きガイドで確認しておくと安心です。
参考・引用元
- 環境省「狩猟制度について」(外部サイト)
- 狩猟読本(大日本猟友会発行)
この記事を書いた人
千葉県在住。狩猟免許(第一種銃猟)取得済み。現在実猟に向けて準備中。免許取得の勉強・試験の実体験をもとに、これから狩猟を始めたい人が迷わないよう情報を発信しています。
※ 本記事の情報は2026年4月時点のものです。受験前に各都道府県の公式情報をご確認ください。
