狩猟免許を取って、猟銃の所持許可の手続きも進めている。あとは「猟友会」に入れば、いよいよ実猟のスタートライン——そう思って調べ始めたんですが、ここで完全に手が止まりました。
猟友会って、外から実態がまったく見えない。
この記事は、まだ猟友会に入っていない僕が、加入前に感じている「宙吊り感」と、射撃教習で偶然聞いた一次情報を、正直に書き残しておくものです。「猟友会 実態」「猟友会 入らない」で検索してここに来た人には、たぶん刺さると思う。
猟友会が「村社会」と言われる前に、まず構造が分かりにくい
調べ始めてすぐぶつかったのが、組織構造のわかりにくさです。
猟友会は大日本猟友会 → 都道府県猟友会 → 支部(地区)猟友会という3階層になっている。全国組織と県組織の話はネットに出てくる。でも、実際に自分が入るのは一番下の「支部」なんですよ。そして、この支部レベルの情報が、ネット上にほぼ存在しない。
しかも厄介なのが、支部ごとに実態がまったく違うこと。会費も、雰囲気も、活動頻度も、人間関係も支部次第。だから「猟友会とは」で一般化された情報を読んでも、自分が入る支部に当てはまるかは分からない。役に立たないんです。
結果、ネットに転がっているのは「怖い」「めんどくさい」「村社会」みたいな断片的な噂だけ。真偽を確かめる術がない。入ってみないと分からないのに、入る前の判断材料がない。この情報の非対称性こそが、未加入者を足止めしている正体だと思います。
射撃教習で、現役会員から聞いた「派閥」の話
そんなモヤモヤを抱えたまま、市原の射撃場で射撃教習を受けてきました(その顛末は射撃教習の体験レポートに書いています)。
その待ち時間に、猟友会に所属している40代くらいの男性と話す機会があって。出身の支部は伏せますが、彼がぽつりと語ってくれた話が、ずっと引っかかっています。
「猟友会も、まあ派閥っていうか、縄張りみたいなのはあるよ」と。告発するでもなく、怒るでもなく、良くないと思いつつ半分諦めているような、乾いた口調でした。
具体的に聞いて、なるほどと思ったのが巻き狩りの役割配分の話です。イノシシの巻き狩りでは、大きく「待ち(仕留め役)」と「勢子(獲物を追い立てる役)」に分かれる。
待ち:持ち場で待って、追われてきた獲物を撃つ。動かない。成果(獲った実績)が集まる。
勢子:山を歩き回って獲物を追い立てる。体力的にきつく、危険度も高い。でも仕留めの成果は自分に入りにくい。
で、彼いわく——年長者が「待ち」を固定的に押さえ、若手が「勢子」に固定されるのが常態化している支部が少なくない、と。若手はしんどくて危ない役ばかり回され、おいしいところは先輩が持っていく。楽しみにくい構造になっている、という話でした。
「安全」という大義名分に隠れた既得権益
ここがこの話のいちばん怖いところなんですが、この役割固定は「発砲判断には経験が必要だから」という安全上の理由で、もっともらしく正当化されてしまうんですよ。
確かに、追われて飛び出してきた獲物を一瞬で撃つかどうかの判断には経験がいる。それは事実。でもその「安全」という正論が、結果として年長者が仕留め役を独占し続ける口実にもなっている。安全という大義名分と、既得権益が二重になっている。だから誰も表立って文句を言えないし、変えられない。
もちろん、これは僕が聞いた一人の話にすぎず、地域や支部によって状況はまったく違うはずです。風通しのいい支部だってたくさんあると思う。でも「そういう支部が現実にある」こと、そして中の人ですら諦めていること自体が、外から見えないまま放置されている。
若手が抜ける悪循環と、可視化されるべき情報
この構造、放っておくと悪循環になります。
おいしくない役ばかり回される若手が、数年で離脱する → 高齢化がさらに進む → 人手が足りなくなり、残った数少ない若手への依存と「使い捨て」がむしろ強まる → もっと辞める。狩猟者の高齢化と担い手不足って、こういうミクロな構造の積み重ねでも進んでいくんじゃないか、と思うわけです。
で、この全部の根っこにあるのが、最初に書いた情報の非対称性です。入る前に「この支部は実際どうなのか」を知る手段がない。だから合わない支部に入って消耗して辞める、という不幸なマッチングが起き続ける。
だったら答えはシンプルで、支部ごとの本当の実態が、加入前に誰かの実体験として読める状態になればいい。互いに顔が見えて、監視し合える——というと大げさだけど、要は「中の様子が外から分かる」だけで、変な支部は淘汰され、いい支部は選ばれるようになるはずです。
だから、実態を書ける場所を作った
僕が加入前にいちばん欲しかったのは、「A支部は若手にも待ちを回してくれる」「B支部は会費以外に集金がある」みたいな、加入者のリアルな声が都道府県・地域別に読める場所でした。でも、なかった。
だから作りました。姉妹サイトのハンターズ・フォーラム(外部サイト)は、47都道府県ごとにチャンネルが分かれた、ハンター同士の情報交換の場です。匿名で書けるので、「うちの支部はこうだった」を残しやすいようにしています。
猟友会に入るか迷っている人も、すでに入っている人も、実態を一言残してもらえると、次にこの「宙吊り」を味わう誰かの判断材料になります。僕自身、加入したらここに正直なところを書くつもりです。
この記事を書いた人
千葉県在住。狩猟免許(第一種銃猟)取得済み。猟銃所持許可の手続きを進行中で、猟友会にはまだ未加入。これから狩猟を始めたい人が、加入前に「知っておきたかった」と思うことを、外からの視点で正直に発信しています。
※ 本記事は2026年7月時点の、未加入者である筆者の見聞に基づく個人的な所感です。猟友会の運営実態は都道府県・地域支部によって大きく異なります。特定の支部・個人を指すものではありません。
