2026年7月は、クマと人の距離がいよいよ縮まった1か月でした。市街地への侵入が各地で相次ぎ、2025年9月に始まった「緊急銃猟」が現実に運用される場面が増加。同時に、身を守ろうと狩猟免許を目指す人が全国で急増しています。この記事では、7月に起きた狩猟・鳥獣まわりの動きを、環境省・農林水産省などの一次情報とあわせて5つに整理します。

この記事でわかること:①クマ被害の最新数字 ②7月の市街地侵入 ③緊急銃猟の運用フェーズ入り ④狩猟免許の受験ラッシュ ⑤鳥獣被害の全体像とジビエの明るい動き、を7月時点の事実で把握できます。

① クマ被害は過去最悪から高止まり|2025年度は238人・死亡13人

環境省の集計では、2025年度(令和7年度)のクマによる人身被害は216件・238人(うち死亡13人)と統計史上最悪を記録し、出没件数も5万件を超えました。2026年度に入ってからも被害は止まらず、4月に岩手県紫波町、5月に岩手県八幡平市や山形県酒田市で死亡事故が確認されるなど、高い水準が続いています。クマと向き合う狩猟の現実味が、この夏いっそう増しています。

② 7月中旬、市街地への侵入と警報が東北〜甲信越で相次ぐ

7月16日ごろには、「1週間で4回クマが住宅に侵入」「至近距離で目が合う」といった市街地での遭遇が各地で報じられました。青森・岩手・秋田・福島・長野・新潟などでは、地域ごとに警報・注意報や警戒強化期間が継続。山の食料事情とは関係なく、人の生活圏に降りてくるクマが増えているのが今年の特徴です。

注意:市街地での遭遇は「山に入らなければ安全」という前提を崩します。通勤・通学路や住宅街でも、朝夕の時間帯は特に注意が必要です。

③ 「緊急銃猟」が運用フェーズに|環境省がガイドラインを改訂

市街地出没の増加を受け、2025年9月に施行された改正鳥獣保護管理法にもとづく緊急銃猟が、実際に使われる場面が増えています。危険鳥獣(ヒグマ・ツキノワグマ・イノシシ)が住居や広場など日常生活圏に侵入した場合、市町村長の判断でハンターに銃猟を委託でき、条件を満たせば実施者は原則として法的責任を問われません。環境省は、これまでに実施された具体例を盛り込む形でガイドラインを改訂。長野県大町市のように、発砲可否の判断を支援するITシステムを民間企業と開発する自治体も現れました。

④ 狩猟免許の受験ラッシュ|宮城は抽選1.8倍

「自分や家族、地域を守れるようになりたい」という動機からか、狩猟免許の受験希望者が各地で増えています。宮城県では7月11日の試験に過去最多の145人が応募し、当選倍率1.8倍の抽選に。県は定員を70→80人へ拡大し、試験回数も年6回から8回へ増やす方針です。東京都も7月25日に2026年度第1回試験を実施しました。これから受ける人は、まず狩猟免許の難易度試験の流れ・費用を押さえておくとスムーズです。

⑤ 数字で見る鳥獣被害|農作物188億円、ジビエは過去最多

農林水産省によると、野生鳥獣による農作物被害は令和6年度で約188億円(前年度比+約24億円)。うちシカが約78.5億円と全体の約41%を占め、その約7割が北海道に集中しています。イノシシは約45億円でした。一方で明るい動きもあり、ジビエの販売額は過去最多を更新。学校給食や観光、ペットフードへと活用の裾野が広がっています。被害の構造は有害鳥獣被害の仕組みで詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 緊急銃猟で、普通のハンターが市街地で自由に撃てるようになったの?
いいえ。市町村長の判断で委託された場合に限られ、住民の安全確保など複数の条件を満たす必要があります。個人が自由に発砲できる制度ではありません。

Q. 2026年のクマ被害は本当に過去最悪ペース?
2025年度は人身被害238人・死亡13人と過去最悪で、2026年度も4月以降に死亡事故が続くなど高い水準が続いています。

Q. クマ被害が理由で狩猟免許を取る人は増えている?
増えています。宮城県では7月11日の試験に過去最多の145人が応募し、抽選1.8倍になりました。

まとめ

被害が身近になったいまこそ、正しい知識が身を守ります。まずは狩猟免許の取り方から、はじめの一歩を踏み出してみてください。

参考・引用元

※ 報道記事のリンクは配信元の都合で削除される場合があります。数値・制度の最新値は環境省・農林水産省・各都道府県の公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

千葉県在住。狩猟免許(第一種銃猟)取得済み。現在実猟に向けて準備中。免許取得の勉強・試験の実体験をもとに、これから狩猟を始めたい人が迷わないよう情報を発信しています。

※ 本記事の制度・統計情報は2026年7月時点で公表されている一次情報にもとづきます。最新の数値・制度は環境省・農林水産省・各都道府県の公式情報をご確認ください。

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