狩猟免許を取得したあと、「実際に猟に出るとき、何を守ればいいの?」と疑問を持つ方は多いです。免許を持っていても、狩猟に関する法律を知らずに違反してしまうと刑事罰の対象になります。
この記事では、狩猟に関わる法律の基本(鳥獣保護管理法の概要・狩猟者登録・禁止区域・禁止行為)をコンパクトにまとめます。更新手続きの詳細は狩猟免許の更新手続きガイドをご覧ください。
狩猟を規定する法律:鳥獣保護管理法とは
日本の狩猟制度の柱は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(鳥獣保護管理法)です。2014年に改正され、従来の「保護」一辺倒から「管理」も含めた体制に変わりました。
この法律が定めているのは主に以下の3点です。
- 狩猟鳥獣の種類・数の管理
- 狩猟免許制度の根拠
- 狩猟期間・禁止区域・禁止行為のルール
ポイント:「免許 = すぐ猟ができる」ではありません。免許はあくまで「試験に合格した資格」。実際に猟をするには毎年の狩猟者登録と、法令で定められたルールの遵守が別途必要です。
狩猟免許の取得から実猟までの全体像は熊ハンターになるまでのロードマップでも解説しています。
毎年必要な「狩猟者登録」とは
狩猟免許は3年ごとに更新すれば使い続けられますが、狩猟者登録は毎年のシーズンごとに行う必要があります。免許と登録は別物です。
狩猟者登録の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録先 | 狩猟を行う都道府県(複数県またぐ場合は各県ごと) |
| 登録時期 | 狩猟シーズン前(概ね10〜11月頃)に各都道府県へ申請 |
| 狩猟税 | 登録時に納付(猟法・免除区分によって異なる) |
| 携帯義務 | 狩猟中は「狩猟者登録証」と「狩猟者記章」を常に携帯・着用 |
注意:他県で狩猟したいときは、その都道府県にも別途登録が必要です。登録証は都道府県ごとに発行されます。
狩猟期間・禁止区域・禁止行為
狩猟期間
鳥獣保護管理法では、基本の狩猟期間が定められています。この期間外の狩猟(有害鳥獣駆除等の許可を受けた場合を除く)は禁止です。
| 地域 | 基本狩猟期間 |
|---|---|
| 北海道以外 | 毎年11月15日 〜 翌年2月15日 |
| 北海道 | 毎年9月15日 〜 翌年1月31日 |
ただし、都道府県知事は農林業の作業時期や鳥獣の繁殖状況に応じて期間を延長・短縮できます。シカやイノシシなど獣類は延長されている県が多いので、必ず猟をする都道府県の告示を確認してください。
禁止区域
以下の区域では、一部または全部の狩猟が禁止・制限されています。
- 鳥獣保護区:鳥獣の保護を目的に設定された区域(狩猟禁止)
- 休猟区:鳥獣の繁殖・保護のため一定期間狩猟を休止する区域
- 指定猟法禁止区域:特定の猟法(わな猟など)が禁止されている区域
- 国立・国定公園の特別保護地区:原則として動植物の採取・捕獲が禁止
絶対にやってはいけない禁止行為
| 禁止行為 | 詳細 |
|---|---|
| 夜間銃猟 | 日出前・日没後の銃猟は禁止 |
| 危険場所での銃猟 | 住居集合地域・駅・広場など多数の人が集まる場所での銃猟は禁止 |
| 危険方向への発砲 | 人・家畜・建物・車・電車等に弾が届くおそれのある方向への発砲は禁止 |
| 毒薬・爆発物の使用 | 劇毒物・爆発物を使った猟は全面禁止 |
| 電気音響機器の使用 | スピーカー等で音を出して鳥獣を誘引する方法は禁止 |
| 無断での他人の土地への立入 | 囲われた土地・作物のある土地で狩猟する場合は占有者の承諾が必須 |
有害鳥獣による農作物被害の実情や駆除の仕組みについては有害鳥獣被害とは?農作物への影響・駆除の仕組みを解説もあわせてどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. 狩猟免許を持っていれば、どこでも猟ができますか?
いいえ。免許に加えて毎年の狩猟者登録が必要です。また、狩猟期間・禁止区域・禁止行為のルールを守る必要があります。鳥獣保護区や国立公園の特別保護地区では、免許があっても猟はできません。
Q. 他の都道府県で猟をしたい場合はどうすればいい?
猟をしたい都道府県ごとに別途登録が必要です。登録証は都道府県単位で発行されます。複数県にまたがる場合は、それぞれの県で手続きを行ってください。
Q. 狩猟期間が都道府県によって違うのはなぜですか?
鳥獣保護管理法は全国共通の基本期間を定めていますが、都道府県知事が農林業の状況や鳥獣の生息状況に応じて延長・短縮できます。シカやイノシシは農業被害が大きい県では期間が延長されているケースが多いです。猟をする前に必ず対象県の告示を確認しましょう。
📝 法令の練習問題:この記事で学んだ内容を、本番と同じ三択形式で確認できます。法令の練習問題(96問)にぜひ挑戦してみてください。
まとめ
- 狩猟の根拠法は鳥獣保護管理法。「保護」と「管理」の両立を目的とした法律
- 免許に加えて毎年の狩猟者登録と狩猟税の納付が必要
- 基本の狩猟期間:北海道以外は11月15日〜翌年2月15日(都道府県により延長あり)
- 鳥獣保護区・国立公園特別保護地区では原則として狩猟禁止
- 夜間銃猟・毒薬使用・無断立入など複数の禁止行為がある
- 免許の更新手続き(3年ごと)については狩猟免許の更新手続きガイドで詳しく解説
この記事を書いた人
千葉県在住。狩猟免許(第一種銃猟)取得済み。現在実猟に向けて準備中。免許取得の勉強・試験の実体験をもとに、これから狩猟を始めたい人が迷わないよう情報を発信しています。
※ 本記事の制度情報は2026年5月時点のものです。狩猟期間・禁止区域の詳細は各都道府県によって異なります。猟に出る前に各都道府県の公式情報を必ずご確認ください。
