猟銃の所持許可を取得したあと、「弾薬はどこで買えるの?」「何発まで持っていいの?」「保管はどうすれば?」と疑問を抱く方は多いです。弾薬の取り扱いは火薬類取締法と銃砲刀剣類所持等取締法の両方で厳しく規制されており、違反すると免許取消・刑事罰の対象になります。この記事では猟銃用弾薬に関する法律のポイントを初心者向けにわかりやすく解説します。
弾薬を規制する2つの法律
猟銃用の弾薬(実包)は、以下の2つの法律によって管理されています。
| 法律 | 主な規制内容 |
|---|---|
| 銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法) | 実包の所持・譲渡・保管・数量制限 |
| 火薬類取締法 | 火薬類(実包を含む)の製造・販売・貯蔵・取扱い |
猟銃ハンターが日常的に意識すべきは主に銃刀法です。所持許可証に記載された猟銃の種類・口径に対応した実包のみ所持できます。許可証に記載されていない弾薬を所持すると違法になるため、購入前に必ず確認してください。
ポイント:実包は「猟銃ごとに許可が必要」です。散弾銃とライフル銃を別々に所持している場合、それぞれの口径に対応した弾薬が必要で、口径が違えば流用できません。
猟銃用実包の購入・所持のルール
どこで買えるか
猟銃用実包は、火薬類販売営業者(主に猟銃専門店や一部のホームセンター)から購入します。インターネット通販は原則として認められていません。購入時には猟銃の所持許可証を提示する必要があります。
購入・所持に必要なもの
- 猟銃の所持許可証(原本。口径が一致していること)
- 購入できるのは許可証に記載された口径・種類の実包のみ
- 販売店は購入者の氏名・住所・購入数量を帳簿に記録する義務がある
注意:他人に実包を譲渡・貸与することは原則禁止です。たとえ友人のハンターであっても、無許可で実包を渡すと違法になります。
猟銃所持許可取得前は購入不可
実包の所持は猟銃の所持許可が前提です。許可取得前に弾薬だけ先に買っておくことはできません。猟銃の所持許可取得の流れについては猟銃免許の取得フロー(全国対応)をご覧ください。
弾薬の保管義務(装弾ロッカー)
実包は猟銃と一緒に保管してはいけません。銃刀法では、猟銃と実包を同一の容器・場所に保管することを禁じています。具体的には以下の方法での保管が求められます。
保管の基本ルール
| 対象 | 保管方法 |
|---|---|
| 猟銃 | ガンロッカー(施錠できる専用の金属製ロッカー) |
| 実包 | 装弾ロッカー(猟銃とは別の施錠できる容器) |
ガンロッカーと装弾ロッカーは別々の場所に設置することが望ましいとされています。警察の立入検査では保管状況も確認されます。不適切な保管が発覚した場合、所持許可の取消し対象になる場合があります。
ポイント:装弾ロッカーは市販の専用品が多数あります。価格は1〜3万円程度。所持許可申請前に用意しておく必要があるため、費用の見積もりに含めておきましょう。猟銃取得にかかる費用全体については猟銃免許取得にかかる費用まとめもご参照ください。
持ち出し・携帯時のルール
猟に行く際に実包を携帯する場合は、猟銃本体とは別の容器(弾薬入れ)に入れて携帯します。猟銃に装填した状態での移動は、猟場(銃猟禁止区域外)であっても慎重に扱う必要があります。公道での装填は禁止です。
所持数量の上限と管理
所持できる数量
銃刀法では、猟銃用実包の所持数量の上限が定められています。
| 猟銃の種類 | 所持上限数 |
|---|---|
| 散弾銃用実包 | 800個以下 |
| ライフル銃用実包 | 300個以下 |
| 空気銃用弾(鉛球等) | 制限なし(ただし管理義務あり) |
上限を超えた数量を所持することは違法です。複数の猟銃を所持している場合は、それぞれの上限が適用されます。
実包の管理台帳
ハンターは実包の購入・使用・残数を自分で記録・管理する義務があります。警察の立入検査時に残数が一致しない場合は問題になります。シーズンごとに購入数・使用数・残数を手帳やアプリで記録しておく習慣をつけましょう。
注意:猟銃の所持許可が失効・取消しになった場合、実包も速やかに廃棄または販売店等に引き渡す必要があります。放置すると不法所持になります。
違反した場合の罰則
弾薬に関する違反は重大な刑事罰につながります。主な違反と罰則は以下のとおりです。
| 違反内容 | 罰則(銃刀法) |
|---|---|
| 無許可での実包所持 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 上限を超えた数量の所持 | 1年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
| 不適切な保管 | 許可取消し・行政指導の対象 |
| 無断譲渡・貸与 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
狩猟免許取得後に必要な法律知識全般については狩猟免許取得後に必要な法律知識と更新手続き完全ガイドもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 実包をネット通販で買うことはできますか?
原則としてできません。猟銃用実包は火薬類取締法の規制対象であり、購入時に所持許可証の確認が必要なため、対面販売が基本です。購入は猟銃専門店や火薬類販売の許可を持つ店舗で行ってください。
Q. 猟銃と実包を同じロッカーに入れてはダメですか?
ダメです。銃刀法では猟銃と実包を同一の容器に保管することを禁じています。ガンロッカーと装弾ロッカーは別々に用意し、理想的には別の場所に設置してください。警察の立入検査でも確認される重要なポイントです。
Q. 猟シーズンが終わったら余った実包はどうすればいいですか?
そのまま翌シーズンまで装弾ロッカーで保管できます(所持上限を超えない範囲で)。ただし実包には使用期限(製造から概ね10年程度)があるため、古い実包は販売店に引き取ってもらうか廃棄処理を依頼しましょう。自分で廃棄する場合も火薬類取締法に従った方法が必要です。
まとめ
- 弾薬は銃刀法と火薬類取締法の2つで規制されている
- 実包は所持許可証に記載された口径・種類のものしか買えない・持てない
- 購入は猟銃専門店など対面販売のみ(ネット通販は不可)
- 保管は猟銃(ガンロッカー)と実包(装弾ロッカー)を必ず分けること
- 所持上限は散弾銃用800個・ライフル用300個。購入・使用・残数の記録管理も必須
- 違反は刑事罰・許可取消しの対象になる。ルールを守った安全な管理を徹底しよう
弾薬の法律は複雑に見えますが、「許可された銃の弾を、決まった場所で買い、分けて保管し、記録する」という基本を守れば問題ありません。猟銃免許取得を検討している方は猟銃免許の取得フロー(全国対応)もぜひご覧ください。
※ 本記事の制度情報は2026年4月時点のものです。法改正・運用変更の可能性があるため、購入・保管前に最寄りの警察署または猟銃販売店にご確認ください。
この記事を書いた人
千葉県在住。狩猟免許(第一種銃猟)取得済み。現在実猟に向けて準備中。免許取得の勉強・試験の実体験をもとに、これから狩猟を始めたい人が迷わないよう情報を発信しています。


コメント